館山(たてやま)は浜松市の北東にある高さ50㍍、周囲1400㍍の小さな山で、三方を浜名湖に囲まれています。
上の写真の舘山寺(かんざんじ)は館山に開かれた真言宗の寺ということで、その名が付けられました。舘山寺は810年に弘法大師(空海)が高野山から仏道修行の際、この地を訪れて創建されました。後に兵火によって焼失しましたが、1187年に源頼朝がこの地を訪れ、道中安全・武運長久の祈願寺として諸堂を再建しました。(ただ源頼朝が建立した諸堂や寺宝は1384年の兵火で再び焼失しています。)
1362年藤原元秀(のちの大沢氏)がこの地にあった堀江城の城主として赴任した際に城主の祈願寺として庇護されることになりました。1870年に明治政府の神仏分離令(廃仏毀釈)によって廃寺となりましたが、1890年に秋葉山秋葉寺の住職を招請し、秋葉寺の出張所を持ってくる名目で再興しました。その際に秋葉三尺坊大権現を祀ることになり、山号も「中嶺山」から「秋葉山」に改め、曹洞宗に改宗しました。
舘山寺では毎年12月15日に火防鎮護の祭典として火祭りが行われています。これは火によって心を浄化するという弘法大師の教えによるもので、火防鎮護の読経の後、火渡りが行われており、これには一般の人も参加できるようです。
穴大師は弘法大師が舘山寺を創建した際に修行したとされる古墳時代の石室で、その間に石室に彫られた石仏は現在でもそのまま安置されています。弘法大師の修行した石室ということで穴大師と呼ばれ、心願成就と眼の病気が治るご利益があるそうです。
舘山寺静観音菩薩は1937年に浜名湖での生活が安全に出来るようにという祈願と観光の目玉として舘山の山頂に建立されました。全長16㍍あり、建立にあたっては地元の人たちが建築資材や運搬などの奉仕されたそうで、毎年3月18日には聖観音祭が行われています。一時期安倍晋三首相と顔が似ていると話題になったようです。(私は知りませんでしたが・・・。)
愛宕神社は舘山寺に併設する神社で、創建は舘山寺より古く、727年とされており、防火の神様である愛宕権現を祀っています。
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